WEB DESIGN REVIEW / FOR BUSINESS OWNERS
「制作会社からホームページのデザイン案が届いたけれど、何を見ればいいのか分からない」「きれいには見える。でも、このまま進めて問い合わせが増えるのかな」。そんなふうに迷っていませんか。
色や写真の好みは伝えられても、メニューの位置や文章の順番まで正しく判断できるか、不安になりますよね。さらに社内で意見が分かれると、どこから直してもらえばよいのか分からなくなります。
この記事では、発注者がデザイン案を確認するときの15項目と、制作会社への修正依頼の伝え方を整理しました。前半の10項目はワイヤーフレーム・デザインカンプで、後半の5項目は実際に操作できるテストサイトで確認する内容です。
最初に確認するのは、①誰向けのページか ②必要な情報はそろっているか ③次に取る行動が分かるかの3点です。色やフォントは大切ですが、料金・対応範囲・実績・相談方法が伝わらなければ、見た目だけ整えても事業上の目的を果たせない場合があります。
デザイン案の段階で分からないことは、無理に承認せず「実装後にどう確認できるか」を制作会社へ聞きましょう。
そもそもWebデザインに含まれる仕事や情報設計の考え方を整理したい方は、Webデザインとは?見た目だけ整えても問い合わせが増えない理由で基本から解説しています。本記事では、届いたデザイン案をどう評価するかに絞ります。
ホームページのデザイン案は、いつ・何を確認すればいい?
ホームページ制作では、デザイン案を見る段階と、実際に動作するページを確認する段階では、判断できる内容が違います。デザインカンプは完成イメージを示す資料であり、実際の速度・問い合わせフォーム・検索エンジン向けのHTMLまで保証するものではありません。
| 制作工程 | 主な確認ポイント | その時点では判断できないこと |
|---|---|---|
| 構成案・ワイヤーフレーム | 情報の順序、必要なページ、導線 | 完成後の実際の操作性や速度 |
| デザインカンプ | 見出し、文字量、色、写真、スマートフォン版 | リンク先の動作、送信完了、SEO技術設定 |
| テストサイト・公開前 | 端末での表示、フォーム送信、見出し・リンク・計測 | 公開後の順位・問い合わせ増加の保証 |
| 公開後 | 検索流入、問い合わせ、顧客の反応 | 短期間の増減だけからの確実な因果関係 |
「ワイヤーフレームで決めるべき情報」を後からデザインだけで直そうとすると、制作のやり直しが大きくなりやすくなります。完成イメージに入る前に、まず必要な情報の過不足を確認しましょう。
制作会社から届いたデザイン案で確認する10項目
ここからの10項目は、デザインカンプやワイヤーフレームを見ながら確認できます。判断しにくいところがあれば「どのような意図でこの配置なのか」と聞いて構いません。
- 誰のためのサイトか:地域、業種、顧客の悩みなど、想定読者が明確ですか。経営者向けのサイトなのに、業界用語だけで説明していないでしょうか。
- 何を提供しているか:最初に見る画面で、会社名だけでなくサービス・対象者・主な価値が伝わりますか。抽象的な英語コピーだけになっていませんか。
- ページの目的が一つ決まっているか:問い合わせ、見積もり、資料請求、来店予約など、最優先の行動が分かりますか。「すべて重要」で終わっていないでしょうか。
- 比較に必要な情報があるか:料金の目安、サービス範囲、納期・所要時間、対応地域、対象外条件などが、検討しやすい位置にありますか。料金を公開しない場合も、見積もりの流れが分かりますか。
- 読み手の疑問に答える順序か:「何をしてくれる→自分が対象か→費用は→安心できるか→相談方法」のように、お客様の判断順で情報が配置されていますか。
- 実績や信頼材料が正確か:顧客の許諾を得た事例、担当者情報、会社概要などを確認できますか。根拠のない「日本一」「必ず成功」は避けていますか。
- 写真と文章が内容を補っているか:素材写真だけで事業の実態が見えなくなっていませんか。社屋・スタッフ・商品・工程など、実際の情報を示せる部分はありますか。
- メニューの名前が分かるか:「SERVICE」「SOLUTION」などの抽象的な表記より、読者が探す情報を予想できる名称になっていますか。料金・事例・問い合わせなどへ迷わず進めますか。
- スマートフォン案があるか:PC用の一枚絵だけでなく、スマホの幅でも見出し・ボタン・表・画像が自然に並ぶ案を確認できますか。長い見出しや小さすぎる文字はありませんか。
- 文字・色・ボタンが認識しやすいか:薄い文字、写真の上の読みにくい文字、どれがボタンか分からない装飾になっていませんか。色の好みより「読んで操作できるか」を優先しましょう。
デザイン案からは、公開ページの実際のHTML、canonical、インデックス設定、フォーム送信、ページ表示速度は確定できません。制作会社へ「実装後に確認する項目」を別途示してもらいましょう。
テストサイト完成後に確認する5項目|デザインを実際の成果につなげる
次の項目は、静止したデザインカンプではなく、操作できるテストサイトで確認します。制作会社と事前に検証範囲をすり合わせておくと安心です。
- キーボードとスマートフォンで使えるか:ボタンやメニューに操作できる状態があり、文字のコントラストやリンクの識別が適切か確認します。W3CのWCAG 2.2などが参照基準になります。
- リンク先が正しいか:料金・事例・問い合わせボタンが実際に正しいページを開くか、古いURLや不必要な転送がないか確認します。
- 本文が検索・読み上げで扱えるか:重要な見出しや説明が画像内の文字だけになっていないか、見出しの階層・画像の代替テキスト・ページタイトルなどが適切か確認します。
- 問い合わせが最後まで完了するか:入力・エラー表示・送信完了画面・受信通知・個人情報の案内をテストします。テスト送信の扱いは関係者で事前に決めましょう。
- 公開後の成果を測れるか:Search Console・GA4の必要な設定と、問い合わせ完了イベントを確認します。アクセス数だけでなく、相談・予約の実数を照合できる状態にしておきましょう。
Googleはモバイル版のコンテンツを検索のインデックス登録に使用しており、レスポンシブデザインを推奨しています。一方、見た目を整えるだけで順位が上がるとは案内していません。検索上の評価と利用者の使いやすさは、別々の観点も含めて確認する必要があります。
UIとUXの役割を整理したい方は、UI/UXとは?ホームページの見やすさと問い合わせ導線の改善手順も参考にしてください。
【GPJ独自の一次情報】デザイン案を感覚で決めない「10項目×3段階」確認シート
株式会社Growth Partners Japanでは、WEBサイト制作の公式サービスで、制作前に約90分×4回の戦略設計を行う方針を公開しています。見た目を先に決めず、事業と集客導線を理解してから制作を進める考え方です。
この方針を、経営者が手元のデザイン案を確認するときにも使えるよう、本記事では「10項目×3段階の評価シート」に整理しました。公開済みのGPJの実務方針をもとに本記事用に設計したもので、実在顧客の運用成績やGoogleのランキング基準ではありません。
デザインカンプの10項目を「0・1・2」で確認する
| 評価 | 意味 | 次のアクション |
|---|---|---|
| 0 | 情報がない、または目的と合わない | どの情報が必要かを制作会社と決める |
| 1 | 情報はあるが、判断・操作に迷う | 文言や配置の改善案を相談する |
| 2 | 相手と目的が明確で、具体的な判断ができる | 理由を記録し、原則維持する |
先ほどの項目1〜10に点数を付けると、合計は最大20点です。合計点だけで「合格・不合格」を決めるのではなく、0点の項目、特に「目的・情報不足・問い合わせ先」を優先してください。項目11〜15はテストサイトで確認する別の検収項目として管理します。
「1:対象顧客=2点」「2:提供サービス=1点」「5:情報の順番=0点」「9:スマホ案=0点」などと記録します。この場合、配色の修正より先に、情報順序とスマホ案の提出を依頼します。これは採点方法を示す例で、顧客の実績ではありません。
実際の設計評価にはユーザーテスト、事業条件、コンテンツの正確性なども必要です。このシートは意思決定を助ける補助資料であり、順位や問い合わせ数の増加を予測するものではありません。
デザイン案の確認ポイントは業種でどう変わる?3つの具体例
同じ見た目のテンプレートでも、読者が知りたいことは業種によって違います。以下はチェックの考え方を示す架空の例です。
| 業種 | 確認すべき情報 | よくある迷い |
|---|---|---|
| 地域の美容サロン | メニュー・料金・所要時間・住所・予約枠 | きれいな写真は多いが、初回料金と予約先が分からない |
| BtoBの専門サービス | 対象企業・支援範囲・導入の流れ・事例の根拠 | 抽象的な実績表現ばかりで、依頼できる内容が不明 |
| 住宅・施工系サービス | 対応地域・施工範囲・現地調査・見積もりの流れ | 施工写真は多いが、相談前に準備することが分からない |
経営者が「もっとおしゃれに」と依頼するより、「初めての人が最初に知りたい情報は何か」を伝える方が、制作会社も具体的な提案をしやすくなります。
制作会社への修正依頼はどう伝える?そのまま参考にできる例文
「ここが気になる」「少し安っぽい」「もっと目立たせて」という言葉だけでは、作業する人によって解釈が変わります。修正したい場所と理由、期待する状態をセットで伝えましょう。
曖昧な依頼:「トップページをもっと見やすくしてください」
具体的な依頼:「スマートフォンの最初の画面で、対応サービスと地域が分からないため、メイン見出しに『福岡市の店舗向けWEB集客支援』のような対象とサービスを示したいです。料金の考え方と相談先も見つけやすい位置に配置できますか」
修正依頼の記入テンプレート
対象:トップページ/スマートフォン版/冒頭エリア
現状:写真と抽象的なコピーが中心で、提供サービスが最初に分からない
理由:新しいお客様が自分に合うサービスか判断しづらい
希望:対象者・サービス内容・相談ボタンが自然な順番で分かるようにしたい
優先度:公開前に確認したい
確認方法:スマートフォンの実画面で見て、初めての人に内容を説明してもらう
見た目の好みが異なるだけなら、その理由も伝えて構いません。ただし、実際の事業内容に関わる修正と、好みの変更は分けて整理すると進行しやすくなります。
色・フォント・写真を変えるだけでなく、文章やページ構成を変える場合は、費用・納期・原稿の確認が必要になることがあります。変更前に制作会社へ影響範囲を確認してください。既存サイトのリニューアルならURL・内部リンク・301・canonical・計測への影響も別途確認しましょう。
デザイン案が届いてから7日間で進める確認手順
忙しい経営者が全項目を一度に見るのは大変です。修正を何度も繰り返さないために、次の順番で確認してみてください。
| 日程 | やること | 完成の目安 |
|---|---|---|
| 1日目 | サイトの目的と最優先の顧客を確認 | 誰に何を伝えるか一文で説明できる |
| 2日目 | デザインカンプを項目1〜10で評価 | 不足情報と気になる点を書き出す |
| 3日目 | スタッフや顧客に近い人へ見てもらう | 初見で迷う部分を具体化する |
| 4日目 | 制作会社へ優先順位付きで修正を依頼 | 理由・希望・確認方法を共有する |
| 5〜6日目 | 修正版で主要な導線を再確認 | 必要な情報が正しく伝わる |
| 7日目 | 実装後の項目11〜15を検証する担当と時期を決定 | 公開前の最終チェック項目が共有できた |
7日間は記事用に整理した進行例であり、制作期間を保証するものではありません。ページ数や修正内容に応じて、無理のない日程を設定してください。
- 見た目の好みと、事業上必要な修正を分けた
- サービス・料金・相談方法の説明に不足がない
- スマートフォンでのデザイン案を確認した
- 実際の写真・実績・表記内容に誤りがない
- 修正の優先順位と、決める担当者が明確
- テストサイトで動作・SEO・計測を確認する予定がある
ホームページのデザイン案についてよくある質問
Q.デザインカンプが届いたら、まずどこを見ればいいですか?
A.最初の画面で「誰向けの、何のサービスか」が分かるかを確認してください。その後、料金・対応範囲・事例・相談先などの情報を追い、実際に必要な行動へ進めるかを確かめましょう。
Q.色やフォントが好みではないときは修正してもらっていいですか?
A.もちろん相談できます。ただし、ブランドの印象や読みやすさなど理由を伝えると、制作会社と方向性をそろえやすくなります。契約で定められた修正範囲や回数も確認してください。
Q.スマートフォン版のデザイン案も必要ですか?
A.スマートフォンで利用する読者が多いサイトでは特に重要です。PC用カンプだけで判断せず、主要な画面がスマートフォンでどう並ぶか確認することをおすすめします。
Q.デザインカンプの段階でSEOができているか分かりますか?
A.重要な見出し・説明・内部リンクの予定は確認できますが、実際のHTMLやインデックス設定、ページ速度までは確定できません。実装後にテストサイトで確認しましょう。
Q.制作会社の提案が正しいか自分で判断できません。
A.まず「誰に、何を伝え、どんな行動を取ってほしいか」と、「その配置にした理由」を質問してみてください。必要なら第三者へ、デザインの好みだけでなく情報設計・導線・実装後の検証まで確認を依頼する方法もあります。
Q.デザインをきれいにすれば問い合わせは増えますか?
A.必ず増えるとは限りません。訪問者数、検索意図、提供内容、料金、対応地域、フォームの使いやすさなども関係します。公開後はSearch ConsoleとGA4などで、認知・訪問・問い合わせを分けて確認してください。
まとめ|経営者が確認するべきは、見た目だけでなく「選びやすい設計」
制作会社から届いたデザイン案を前に、不安になるのは自然なことです。専門的なデザインソフトを使えなくても、顧客の立場で情報の順番や相談のしやすさを確認することはできます。
まずは目的・必要な情報・行動の3点を見て、その後に文字や写真、スマートフォンでの見え方を確認しましょう。そして、実際に操作できる段階でフォーム・リンク・SEO・計測を検証してください。
Webデザインの全体像と役割については、Webデザインの定義と問い合わせにつながる設計の考え方もあわせてご覧ください。
参考にした公式情報
- デジタル庁「デザインシステム」:使いやすさ・情報の探しやすさ・アクセシビリティ
- W3C「Web Content Accessibility Guidelines(WCAG)2.2」:読みやすさや操作性の確認
- Google検索セントラル「モバイルファースト インデックスに関するおすすめの方法」:モバイル表示とコンテンツの扱い
- Google検索セントラル「ユーザーを第一に考えたコンテンツ」:読み手に役立つ独自情報
- Growth Partners Japan「WEBサイト制作」:当社の公開している戦略設計方針
